top of page

株式会社 仙石

1.今後の東北創生のために現在どのような取り組みをされておりますか?

 

現在、私たちはNPO法人河口湖自然楽校さんと「生きる絆プロジェクト」に取り組んでおります。これは、被災された方々が地域内外の人々と絆を深めることで、自分たちの力で立ち上がるプロセスを支援するというプロジェクトです。そのために、被災地の変化に即応する多機能トレーラハウスなどの居住支援をシステム化して整備しています。

我々は、「活力ある高齢社会」はどうあるべきなのか、その中で企業は何を価値として提供できるのか、そして私たちはその価値を生むために何ができるのか議論を続けてきました。そんなときに東日本大震災が発生したのです。神戸の先例を調べると、震災の影響で社会参加性が低下したことで身体機能が落ちてしまう生活不活発病によって、介護費が増加するなどの問題がありました。ですから、今回は早いうちに何か手を打たなければならないと思い、厚労省のサポートセンター事業と連携を取り、五右衛門ヶ原の仮設住宅をひとつの高齢化したまちと考えてサポートしていこうと考えました。

運営委員長

岩渕 成紀

趣旨:現在、東日本大震災による津波で破壊された仙台市及び宮城県内の生態系の再    生をサポートすることを目的として、未来に向けて様々な視点で生態系と人との関わりに  ついて考える活動を行なっている。せんだい生態系再生コンソーシアムでは、webサイト  やSNSをベースにしたアーカイブ機能とコミュニティ機能により情報を共有し、過去から現  在における生態系についての事実を様々な視点から「知る」こと。その事実を受けて、ワ  ークショップやシンポジウムを開催し、市民と専門家がそれぞれの立場から生態系を広く  「考える」こと。そして、それを言葉や書、絵画、音楽などの様々なメディアで未来に「伝え  る」という3つのステップを大切にしている。

 

メールアドレス:cer.sendai@gmail.com

ホームページ:http://www.sendai-ecosys.com/

 

住所:〈事務局〉

   〒983-0044

         宮城県仙台市宮城野区宮千代3-2-14高時ビル NPO法人 杜の考房

インタビュー紹介22

せんだい生態系再生コンソーシアム

  2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議の『愛知目標』の中に、生物多様性向上のために2020年までにどのような行動をすればよいのかを定めた20の目標があります。その目標を果たすために具体的に何をすればよいのか『地球温暖化、生物多様性、環境負荷への提言、安全・安心』の4つの切口からとらえた地域版の行動カタログを作成しようと考えております。取るべき行動についてカタログを使って具体化することで、目標の達成度合いを認識することができ、取り組みやすくなる。そのような仕組みを作ることが理想だという考えです。

  来年の夏以降から、企画展『震災地の生き物たち』~アートで学ぶ生物多様性の世界・松原巌樹原画展~を、仙台市文学館を皮切りにして、被災地の美術館や博物館で開催することが決まりました。文学と生態系は、一見、全く関係していないように見えますが、実は深く関係しており、震災により生きものたちがどのように変化したのかということをこの企画展で表現する予定にしています。心や表現の復興も目指しています。被災と生物多様性をテーマにした企画展はこれまで存在していません。絵画と文学・震災をもう一度、深く考える機会になると思います。これと関連したシンポジウムの開催も予定しています。震災以降、急激に増えた種や、逆に影響を受けず生き残った種の中から5つの生物種を選択し、それらの生物の現状を科学的な意味を生物学者の方が分析します。それと同時に、生態画家の松原巌樹さんに、それらの生物の精密画を描いていただき、科学性と芸術性の両面から市民に、『震災と生物多様性』の関係を訴えていくことを考えています。

表面的で形だけ整った復興は、本来の復興ではありません。震災をきっかけとして生態系が、わたしたちに問いかけてきたものは何であるのかを問い直す。そのことが生態系コンソーシアムのコンセプトの中心となるものだと思っています。

3.今後の取り組みについて

  現在、復興のために様々な工事が行われています。しかし、生物に配慮した形の復興であるのか、自然の復元力をうまく活用したものなのか、などといった検証はあまり行なわれていないように感じます。長い目で見たときに、その土地に住む人々にとっての共有の場として考える上で、果たして良いのだろうかという疑問が残ります。市民をベースとして、その場に適した生態系の再生力を利用した、適切規模での復興が重要であると考えています。そのためにも『適正規模学』が必要なのです。

2.地域の進捗状況について

  現在、せんだい生態系再生コンソーシアム(CER Sendai:Consortiums of Environmental Restoration in Sendai )では,生態系の持っている再生力をうまく活用した復興活動の大切さを、今、そして未来にどう伝えていくかを考えています。自然の復元力を用いることでコストを抑えることができますし、生態系を乱すことはありません。私は「コモンズの視点を支える適正規模学」があると考えています。再生するためには適正な規模というものがあり、生態系をうまく活かすことで効率的でコストのかからない再生が可能になるという考え方です。人間と自然の双方にとって良い方法で開発することが必要です。特に、農業・漁業・林業などの一次産業は生態学の発想をもとに行わなければ、持続的な生態系の構造そのものが破壊され、生産性が低下してしまいます。現在、被災地で行われている農業の復興は、残念ながら生物多様性を考慮したものにはなっていません。かつて農業は文化や歴史、環境、生物の源であり、その循環がうまくいくことで、成立していました。この考え方と復興への考え方は全く変わらないものだと思っています。私たちは仙台市井土浦を中心に定点カメラやモニタリング等を行なっています。将来的には、本来自然が持つ循環のリズムとしての干潟と後背湿地、そして水田をこの地に再生していくことが理想だと考えています。

  また、コンソーシアムでは様々な分野の人々を巻き込む形で活動しています。ひとつの分野に限ってしまうと、考え方にも偏りが生じてしまうからです。人間の多様性が生態的な安定をもたらすと考えているためです。できるだけ広い範囲の市民の声を取り入れて、自由な立場から楽しく参加してもらい、活動を続けていきたいと考えています。市民の皆さんのコンソーシアムへの参加を期待しています。

1.現在の取り組みについて

インタビュー内容

bottom of page