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株式会社 仙石

1.今後の東北創生のために現在どのような取り組みをされておりますか?

 

現在、私たちはNPO法人河口湖自然楽校さんと「生きる絆プロジェクト」に取り組んでおります。これは、被災された方々が地域内外の人々と絆を深めることで、自分たちの力で立ち上がるプロセスを支援するというプロジェクトです。そのために、被災地の変化に即応する多機能トレーラハウスなどの居住支援をシステム化して整備しています。

我々は、「活力ある高齢社会」はどうあるべきなのか、その中で企業は何を価値として提供できるのか、そして私たちはその価値を生むために何ができるのか議論を続けてきました。そんなときに東日本大震災が発生したのです。神戸の先例を調べると、震災の影響で社会参加性が低下したことで身体機能が落ちてしまう生活不活発病によって、介護費が増加するなどの問題がありました。ですから、今回は早いうちに何か手を打たなければならないと思い、厚労省のサポートセンター事業と連携を取り、五右衛門ヶ原の仮設住宅をひとつの高齢化したまちと考えてサポートしていこうと考えました。

多賀城中学校グラウンド応急仮設住宅

 

住所:多賀城市鶴ケ谷1丁目9付近

多賀城中学校グラウンド応急仮設住宅

インタビュー紹介3

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 住民同士でコミュニケーションを取れるようにしていかなければなりません。そのきっかけとして、イベントを開催することが良いのではないかと思います。どのようなイベントをしたいか希望をとり、住民が主催となって行うことで、より住民さんもイベントに参加しやすいのではないかと思います。有志を集めて、たくさんの人が来てくれるような企画を考えていきたいです。

今、復興住宅の話が被災地に広まっています。そのことについて意見させていただくと、復興住宅を津波の被害にあった場所に建てるということについて理解が出来ません。また津波が来たらどうするのでしょうか。津波が来なくても、大雨が降ったときに水かさが増すことで浸水の被害

も出てきます。そのような被害の心配がないような場所に建ててほしいです。このことを、仮設住宅の住民同士でも話し合っていく必要があると思っています。また、他の仮設住宅の住民さん方とも連携を取り、話し合いをしていきたいという思いがあります。

住民の方々は、本当に話したいことを話せていません。自分の感情を発散させる場がないと、心に負担がかかってしまいます。ですから、みんなが本音を話せるような場所をつくっていくことが必要だと考えています。これから先もずっと、精神的なケアが求められると私は思います。

2.今後の取り組み(予定目標など)

 草取りやお茶飲みをして、仮設住宅の住民間でコミュニケーションを取っています。ですが、それは10人程度で行っていることであって、仮設住宅全体で見るとなかなかコミュニケーションが取れていません。なるべく声掛けをしていこうとは思っていますが、出来ていないのが現状です。特に1人暮らしの人とは会う機会がほとんどないので、とても心配しています。

他の団体さんとイベントを行うことはありますが、住民さんが中心となって行うイベントはないです。「こういうイベントがあればいいのになぁ」という住民さんからの声を聞きますが、それを実行するまでには至っていません。

 震災から2年が経過し、この頃感じていることは、団体さんの訪問が少なくなったことです。そういった意味では、少し風化してきたということでしょうか。ですが、中には定期的に話を聞きに来てくださる方々もいて、とてもありがたいと思っています。

テレビで伝えられていることは、たしかに真実ではありますが、被災地の現状を全て伝えているわけではありません。頻繁に周りから、多賀城の被害は他の地域と比べて少ないだろうと言われます。ですが、被害の大小の問題ではないと思うのです。被害にあわれた方の心の傷は完全には癒えていません。そのことを分かっていただきたいです。

インタビュー内容

1.現状(現在取り組んでいること、問題、仮設の特徴など)

安藤 武 氏

 

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